こんにちは!おねです✨
今回からパン作りの基本についてシリーズでお伝えしていこうと思います!
これから始めるシリーズでは、パン作りの基本をわかりやすく解説していきます。パン作りに役立つ内容にしていこうと思うので、ぜひ一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです💛
初回は“ベーカーズパーセント”と配合率についてお伝えしていきます✨
“ベーカーズパーセント”とは?
パン作りのレシピ本等で“ベーカーズパーセント”という言葉を目にしたことはありませんか?
パン作りでは、「ベーカーズパーセント(Baker’s Percentage)」という計算方法を使います。これは、小麦粉の重量を100%とし、他の材料をその割合で表す方法です。プロのパン屋さんでも使われる基本の計算方法で、パン作りをスムーズにするためにとても重要です!✨
お家で焼くパンに“ベーカーズパーセント”が必要?
そもそも、「レシピ通りにパンを焼いていて“ベーカーズパーセント”が必要なの?」
知らなくてもパンは焼けますが知っていると、とっても便利なことが分かります!
こんな経験ありませんか?
✅①レシピ通りに焼いているのに上手く行かない(生地がべちゃべちゃ、生地がかため、etc)
✅②レシピに載っている焼き型と持っている焼き型の大きさが違う
✅③加水率ってよく見るけど、どうやって計算するの?
など、、、
こんな時に活躍するのが“ベーカーズパーセント”です!!
難しそうに見えますが、慣れればそれほど難しくはありませんよ!(最近は“ベーカーズパーセント”を計算してくれる無料のアプリもあるようです♪)
具体的に解説していきますね!

📌①レシピ通りに焼いているのに上手く行かない(生地がべちゃべちゃ、生地がかため、etc)
レシピと使っている粉が違うと上手く行かない場合があります。
そのひとつに、国産の粉か外国産の粉かで給水の良さが違うことが多いです。
国産の小麦粉は外国産の小麦に比べて水分を吸水しにくいです。
もし、レシピに載っている粉がカメリアなど外国産の粉で、今ある粉が国産小麦の場合、水分量を少し減らすと上手くいこことが多いです♪
国産小麦と言っても、銘柄や季節によっては吸水率は変わってきますが、まずは粉に対して水分が何パーセントくらい入っているのか知ると失敗も減りますよ♪
※詳しくは『パン作りの基本!知っておきたい材料の役割と選び方』をのぞいてみてください✨
📌②レシピに載っている焼き型と、持っている焼き型の大きさが違う
食パンによくあることですが、「レシピ通りに作っているのに、発酵を待っても思いの高さまで上がってこない!」、「角食を焼こうとしたら、パンパンに生地が膨らんで蓋が開かない、、」といった時は焼き型の大きさが違うかもしれませんね。
“ベーカーズパーセント”を知っていると、レシピのままの配合で、自分の持っている焼き型にあった分量がわかります♪
📌③加水率ってよく見るけど、どうやって計算するの?
加水率という言葉はパンを焼いていると、よく見かける言葉だと思います。
加水率とは簡単に言うと、粉に対して何パーセントの水分が入っているか、です。
特にハードパンに高加水パンというのを見かけますよね。
粉に対して入っている水分の量が多く、捏ね上がった生地は流動性のある柔らかい生地のパンを指します。
ハードパンなど、加水の多い生地を作る時は“ベーカーズパーセント”を使うと、慣れるまでは加水率を下げて、慣れてきたら加水率を上げてみる、といったことも出来るようになります♪
※計算方法は次の項目で詳しく解説しますね。

“ベーカーズパーセント”の計算方法
“ベーカーズパーセント”の正体はこれです!!
各材料の重量(g) ÷ 小麦粉の重量(g) × 100 = 材料のパーセント
📏 “ベーカーズパーセント”の基本ルール
✅ 小麦粉の重量を100%とする(小麦粉の量が基準!)
✅ 他の材料の重さを小麦粉に対する割合で表す
🌟 例1 🌟
小麦粉を**100%**として、以下のようなレシピを考えてみます。
材料 | 重量 | ベーカーズパーセント (%) |
---|---|---|
小麦粉 | 500g | 100% |
水 | 350g | 70% |
塩 | 10g | 2% |
ドライイースト | 2.5g | 0.5% |
✅ 計算方法:
「(材料の重さ ÷ 小麦粉の重さ) × 100」で求められます。
たとえば、水の場合:
(350g ÷ 500g) × 100 = 70%(加水率)
“ベーカーズパーセント”は、粉に対して他の材料の配合率を表したもの。
🌱 自家製酵母の計算方法
レーズン酵母の元種などを使う場合は、元種の中の「粉と水」を分けて計算します。
🌟 例2:元種30%を使う場合 🌟《例1》と同じ配合で自家製酵母に置き換える
材料 | 重量 | ベーカーズパーセント (%) |
---|---|---|
小麦粉 | 425g | 85% |
元種(1:1) | 150g | 30%(粉15%、水15%) |
水 | 275g | 55% |
塩 | 10g | 2% |
✅ 元種150gのうち、粉75g(15%)、水75g(15%)を含んでいるので、その分の粉と水の量を調整するのがポイント!(粉量が全体で100%になるように計算しています)
最初は面倒かもしれませんが、使い慣れると大いに活躍してくれますよ♪

焼き型の容積比
食パンなど焼き型に入れて作るレシピでは、レシピを調整する際に**「焼き型の大きさ」がとても重要です。使用する型のサイズが違うと、生地量の適切なバランスが変わるためです。そこで役立つのが「焼き型の容積比」**です!✨
容積比とは?
焼き型の大きさを比較するために、それぞれの型の「容積(体積)」を基準にして計算する方法です。
🌟 容積の求め方 🌟
型の内寸を使って、次の公式で計算します。
📌 四角い型(食パン型など)
→ 容積(mL)= 縦 × 横 × 高さ(cm³)
📌 台形の型(山型食パン・パウンド型など)
→ 容積(mL)= (上辺 + 下辺)÷ 2 × 奥行き × 高さ(cm³)
📌 丸型(ケーキ型など)
→ 容積(mL)= 半径 × 半径 × 3.14 × 高さ(cm³)
焼き型ごとの一般的な容積
型の種類 | サイズ | 容積(mL) |
---|---|---|
食パン型(1斤) | 約12×12×12cm | 約1,700mL |
食パン型(1.5斤) | 約12×12×18cm | 約2,500mL |
食パン型(2斤) | 約12×12×24cm | 約3,400mL |
パウンド型(18cm) | 約8×18×6cm | 約850mL |
丸型(15cm) | 直径15cm×高さ7cm | 約1,200mL |
丸型(18cm) | 直径18cm×高さ7cm | 約1,800mL |
⚠️ 各メーカーや商品によってサイズが異なります ⚠️
容積比を使って生地量を調整する方法
長方形の1斤型や他の焼き型でも各メーカーさんや規格によって若干サイズが異なります!
そこで、型に合わせた生地量を知ることが重要になってきます!
➡ 異なる型を使うときは、容積をもとに生地量を調整しよう!
📝 適正な生地量を知る
✅ レシピに載っている容積比を使って自分の持っている焼き型に置き換えよう!
✅ 失敗を防ぎ、ふくらみすぎ・足りなさすぎを防げる!
📝 1斤型の大きさが違う場合の計算方法
《レシピ》1斤型(1,700mL) → 《持っている型》1斤型(1,650mL)
✅ 計算方法
「持っている型の容積 ÷ レシピの型の容積」で、必要な倍率を求める
(1,650mL ÷ 1,700mL)= 0.97倍
✅ 生地量の調整
すべての材料を0.97倍に調整すればOK!
📝 台形の焼き型(山型食パン・パウンド型など)の計算方法
台形の型を使う場合、上辺と下辺の長さが違うため、平均値を求めてから容積を計算します。
✅ 台形の型の計算式
➡ 容積(mL)= (上辺 + 下辺)÷ 2 × 奥行き × 高さ(cm³)
🌟 例:上辺15cm、下辺10cm、奥行き8cm、高さ7cm の型の場合 🌟
(15 + 10)÷ 2 × 8 × 7 = 700mL
もっとマニアックになる⁉
型比容積(かたひようせき)
食パンなど型に入れて焼く場合に必要になってくるのが型比容積(かたひようせき)。型比容積は、焼き型の容積に対して、どれくらいの生地量が適切かを示す概念です。型比容積を理解することで、焼き型に対する適切な生地の量を見極めやすくなります。

型比容積を使うと、型に対しての適正な生地の量が計算できます!
✅ 計算式 → 型の容積 ÷ 生地の重さ = 型比容積
🌟 例:2斤の食パンレシを1.5斤に変更する🌟
① レシピの“ベーカーズパーセント”を確認 → レシピの型の容積 ÷ パン生地重量(g)(すべての材料の重さを足したもの)を計算して型比容積をだす
《2斤の食パンレシピ》
(型の容積が3,400mL)
材料 | 重量 | ベーカーズパーセント (%) |
---|---|---|
小麦粉 | 500g | 100% |
水 | 350g | 70% |
塩 | 10g | 2% |
ドライイースト | 2.5g | 0.5% |
3,400mL ÷ (500+350+10+2.5)=3,400mL ÷ 862.5 (g)= 3.9
➡ 型比容積は3.9
② 持っている型に調整 → 持っているの『型の容積 ÷ 型比容積 』を計算して『パン生地重量(g)』《材料すべてを足した重さ》を出します(持っている型の容積が2,500mL)
2,500mL ÷ 3.9 = 641 (g)
➡持っている型(1.5斤)の『パン生地重量(g)』は 862.5 (g)
③ 自分の持っている型にあった粉量を知る → 『パン生地重量(g) ÷ ①で確認した合計“ベーカーズパーセント”』を計算して必要な『粉量(水分や油分を覗いた粉だけの重さ)』を出す
(100%+70%+2%+0.5%)合計“ベーカーズパーセント” ÷ 641 (g)
172.5% (合計“ベーカーズパーセント”) ÷ 641 (g)=371 (g)
➡持っている型(1.5斤)の『粉量(水分や油分を覗いた粉だけの重さ)』は371 (g)
④ 必要な粉量をレシピの“ベーカーズパーセント”に合わせる → ③で出た粉量(水分や油分を除いた粉だけの重さ)を100%として他の材料をレシピの“ベーカーズパーセント”にあてはめる
《1.5斤の食パンレシピ(型の容積が2,500mL)にあてはめる》※粉量は1のくらいを四捨五入して370gで計算
材料 | 重量 | ベーカーズパーセント (%) |
---|---|---|
小麦粉 | 370g | 100% |
水 | 259g | 70% |
塩 | 7.4g | 2% |
ドライイースト | 1.85g | 0.5% |
- パンの密度を変えるときは型比容積 を変える→低いとみっちり、高いとふわっふわ
- 高加水にするときは加水率のみを変える→しっとり、もっちり
一般的には山型パンで3.8、プルマン型パンで4.0前後が適正生地量と言われています。ちなみに本ブログで紹介している『元種で作る「山型食パン」』は(型比容積4.6)にしています✨
まとめ
📌 “ベーカーズパーセント”を知れば
✅ 違レシピと違う粉でも対応出来る! →加水の割合を調整出来る!
✅ 持っている焼き型に調整が簡単! →配合はそのままで焼き型に合った分量に変更できる!
✅ 自分流にパンが作れる! → 「もっとしっとりさせたい!」と思ったら加水率を上げるなど、調整しやすい!

”ベーカーズパーセント”を活用して、自分好みのパン作りを楽しんでくださいね!

🎀最後まで読んでくださりありがとうございます!✨
📌 次回は『パン作りの基本!②知っておきたい材料の役割と選び方』についてお伝えします!✨
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