カンパーニュ(Pain de Campagne)は、フランスの田舎風パンを指す言葉で、「田舎パン」とも呼ばれます。
フランスでは昔から農家や田舎のパン屋で作られていたパンで、保存がきくため大きめに焼いて何日も食べるスタイルが一般的だったようです。
チーズやスープと相性が良く、家庭でもよく食べられてる食事パンですね。
また、カンパーニュの作り方は家庭やパン職人ごとに様々です。
基本の材料(小麦粉・水・塩・酵母)はシンプルですが、
✔ 粉の配合(ライ麦や全粒粉の割合)
✔ 酵母の種類(レーズン酵母元種、ルヴァン種、イースト)
✔ 発酵方法(オーバーナイト法・コールドプルーフ)
✔ 成形方法(丸型、小判型などで模様をつけたりもします)
などで、風味や食感が大きく変わります。
今回は比較的に扱いやすく、発酵力のあるレーズン酵母の元種を使ったレシピを紹介します!
レーズン酵母元種で作ると、ほんのりとした甘みや香ばしさが加わり、さらに奥深い味わいになりますよ!
そして、作り方はオーバーナイト法で仕込んでいきます!
オーバーナイト法(低温長時間発酵)
オーバーナイト法とは?
オーバーナイト法は、パン生地を冷蔵庫で長時間発酵させる方法です。
- 生地を冷蔵庫に入れて、約12~24時間ゆっくり発酵させることで、風味や食感が格段に良くなります!
- 発酵がゆっくり進むことで、酵母の活動が長時間行われるため、パンの風味が豊かになります。
- 夜に仕込んでおけば、翌日に成形・ホイロ・焼成と行程を分けて作業できるので、時間を有効活用できるのも魅力です!
オーバーナイト法の特徴
- 深みのある風味が出る(酵母と乳酸菌がじっくり働き、酸味がまろやかに)
- 甘みが引き出される(発酵中にデンプンが分解され、自然な甘みが増す)
- 香りが豊かになる(酵母と小麦の香りが強くなる)
- 食感がしっとり(長時間発酵させることで、パンが柔らかくなる)
いくつかカンパーニュのレシピを紹介しいて、よく頂く質問が「クープの入れ方」について!!です。
配合や作り方が何通りもあるように、クープの入れ方にもいくつか方法があります。
今回はクープに焦点をあてて紹介していきたいと思います!
カンパーニュのクープが開かない?成功のコツと失敗しやすいポイント!
📌クープをきれいに開かせる4つのコツ
✅ 発酵をしっかり見極める
- 発酵不足 → クープが開きにくい&窯伸びしない
- 過発酵 → 生地がダレてクープが開かない
✅ クープナイフの角度を意識する
- 生地に対して刃があたる角度を30~45度くらいに傾けると、立体感のあるクープになる
- 刃の角では無く、平らな辺を生地にあてて生地が切れる感じ
✅ 迷わずスッと一気に切る
- ためらってゆっくり切ると、生地が引っ張られてガタガタに💦
- 素早くスムーズに入れるのがポイント!
✅ 焼成前にしっかりスチームを入れる
- スチーム不足 → 表面がすぐに焼き固まり、クープが開きにくい
⚠ 3. こんな失敗に注意!よくあるクープの悩み
失敗例 | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
クープが開かない | 発酵不足 or 過発酵 | 発酵の見極めをチェック! |
クープがガタガタ | ナイフの動きが遅い | 一気にスッと切る |
クープが横に広がる | クープが深すぎ | 4~5mm程度の深さ |

それでも上手く行かない時は、加水率を少し下げてみるのもひとつの方法です!
加水率については『パン作りの基本 ①!“ベーカーズパーセント”と配合率をマスターしよう』で詳しく紹介しています✨
⭐YouTubeでも動画でレシピを紹介しています!
カンパーニュの作り方=2通りのクープを入れて見よう!=
材料
(小判型18.5cm)2個分
※材料の詳細は青文字をクリックしてくださいね!
作り方
1.オートリーズ ボールにレーズン酵母元種、モルトシロップ、水を入れ混ぜておく。


《モルトシロップについて》
モルトシロップは生地の発酵を安定・促進させる作用があり、油分や砂糖・乳製品の量が少ないリーンな生地に使用することが多いです。
特徴:
- 焼きあがったパンの水分保持性が良く、柔らかさが長持ちする
- 麦芽糖が焼成時にカラメル化するので美しい焼き色が付き、芳醇な風味のパンになる
※本レシピではモルトシロップを使用していますが、モルトシロップを比較的に扱いやすいモルトパウダーに置き換えOKです!その場合モルトパウダー1.2gにしてください
2.別のボールに粉類を計量しながら入れて混ぜおく。


3.粉類に1を入れて混ぜ、粉っぽさが無くなれば軽くまとめておく。



4.生地作り 2に塩を加え、生地の端を持って真ん中に押し込むように70回ほど捏ねる。何度か繰り返すと表面がつるんとしてまとまってくるが、60回ほど繰り返すと、またべちゃべちゃしてきます。



5.素早く生地の下に手を入れて生地をひっくり返し、そのまま底に手を差し込むようにし、反対側の手でボールを回転させて生地の表面を張らせ30分おく。生地が手にくっつきますが、素早く手を動かすようにすると生地が離れてきます。生地の表面はガタガタしています。

6.パンチ 生地の底に何度か手を差込んでひっくり返す。その後、生地の端を持ち上げて中央に置く。これを繰り返して5回ほどで1周するようにパンチを入れる。※パンチ1回目 (まだ伸びが悪く手にくっつく感じ)



7.1周したら再度底に手を入れひっくり返し、素早く手を差し込んで手前に引き寄せ反対側の手でボールを回転させながら表面を張らせて30分おく。表面は捏ねの後よりも少しだけなめらかになってきますが、まだガタガタしています。

8.同じようにもう一度パンチを行い30分おく。生地が手に付きにくくなってくる。パンチ後生地を張らせるとなめかになってくる※パンチ2回目



9.同じように3回目、最後のパンチを入れる。生地がしっかり繋がっている。

10.1次発酵 表面を張らせた後、薄くスプレーオイルをかけタッパーに入れ28度で2時間ほど1.8倍の大きさになるまで発酵させる。

※タッパーに薄くスプレーオイルをかけておくことで型離れが良く、生地を傷めません
11.1.8倍くらいの大きさまで発酵させたら、続けて冷蔵庫で一晩(16~24時間)ほど低温長時間発酵(オーバーナイト法)させる。



12.翌日、オーバーナイト発酵した生地を冷蔵庫から取り出し18度程度になるまで復温させる。復温の間も発酵は進みます。最終の発酵倍率は2.5~3倍弱。



13.分割・ベンチ タッパー逆さまにして生地の重さで落ちてくるのを待ち、台の上に取り出し2等分にする。※この時、台に接している面が表面になるので逆さまにならないように注意する。


14.生地の端を持ち上げたりしながら正方形に広げ、生地の端を持って上3分の1を手前に折り返す。




15.今度は下半分を折り上げて三つ折りにする。


15.横方向も同少し引っ張りながら三つ折りにする。


16.粉をふり生地の端が下になるようにひっくり返し、乾燥しにようにタッパーをかぶせ30分おく。

17.成形 打ち粉をしながら生地をひっくり返し、少し広げる。

18.左右の縦3分の1を折って三つ折りにする。



19.上から少し手前に折り返し、端を折り目に向かって押し込む。

20.残りをのクルクル巻いていく。


21.生地に手を添えて手前に引き寄せ、生地の表面を張らせる。

22.2次発酵 布巾を重ねて打ち粉を振ったカゴにとじ目を上にしていれ、最後に生地を引っ張りながらとじ目をしっかり止める。その後、28度で1時間~90分、2次発酵させる。


23.2次発酵の目安は、ふっくらして少し高さがでるくらい。発酵が完了したらオーブンシートを乗せた取り板に生地を取り出す。


24.余分な粉を刷毛を使って落としておく。

25.2通りのクープを入れる。
《1.曲線クープ》生地を真上から見ると、クープが生地の縁に沿って曲線になっていて、ナイフの刃が生地に斜め(45度くらい)で入る。


《2.直線クープ》生地を真上から見ると、中央に真っ直ぐ直線に入っていて、ナイフの刃が生地に垂直に入る。


26.焼成 天板を入れてスチームを入れ300度に予熱していたオーブンにオーブンシートごと滑らすように入れたらそのまま7分焼成、スチーム無しで23度で10分焼成する。

27.完成です!

⬅左が直線クープで、➡右が曲線クープ
📌断面はこちら

⬅左が曲線クープで、➡右が直線クープ(上の画像と入れ違っててすみません💦)
📢 5. まとめ
📌 クープの比較
- どちらもそれなりに気泡は見られました!
- 曲線クープは生地が横にも膨らみカンパーニュらしい形に焼き上がりました♡
- 直線クープは高さがあり、上にボリュームが出ました!
お好みのクープでやいたみてくださいね♪
📌 おさらい
- クープをきれいに開かせるには、発酵・ナイフの角度・スチームが大事!
クープ入れ成功のヒントになればうれしいです😊✨
⭐ 焼き上がったカンパーニュをタルティーヌにするのもお勧めです!
ハードパンのレシピを紹介

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